このページは2002年8月30日に東京で行われた第21回ゲーテの詩朗読コンテストで優勝したときのエピソードをご紹介しています。次回参加される方のご参考になれば嬉しく思います。

 


バームクーヘンとよばれる真ん中に穴のあいた木の年輪のようなケーキでおなじみのドイツ菓子メーカーのユーハイムが主催をしています。
神戸で創業し、日本国内で販売をしていたユーハイムが、ドイツに初めて出店したのがフランクフルトにあるドイツの文豪ゲーテの生家でした。 そこから ゲーテに敬意を表し、毎年ゲーテの生誕日(8月28日)に近い土曜日にコンテストを行っています。
今回は2002年8月30日に行われました。


一次審査

ゲーテ詩で3分以内のものを日本語、ドイツ語、英語のいずれかで朗読し、テープに録音し送るというものです。
応募者は北海道から沖縄まで352人でした。テープ審査により全国から選考された25名が東京千駄ヶ谷の津田ホールにて本選に参加しました。

2次審査

審査項目は、詩の「理解力」「朗読力」「アピール力」の3点について 4人の審査員が評価し、また会場500人のお客様にも1票を投じて 頂くと言う形で行われました。
(私は、東京に行く前に3枚チケットを頂いていたのですが、東京の知り合いは皆都合がつかず、私に票を入れてくれる人はいないと思っていました。「賞に入るわけがない。 知っている人もいないし、楽しんで帰って来よう。」という気持ちで 臨みました。)


3年ほど前から朗読の勉強を始め、小学校や児童館、舞台などで読んでいましたが、ふと「自分の力はどのくらいなんだろう」と思っていました。そんな時、本屋さんでたまたま手にした公募ガイドでコンテストの記事を見つけて 「やってみよう」と思ったのがきっかけです。


コンテストに応募するにあたって、書店でゲーテの詩集を購入しましたが、どの詩もとても難しく、頭を抱えてしまいました。審査のポイントに「理解力」という項目があり、ゲーテを本当に理解しなければ 読んでも伝わらないのだろうと思い、図書館で本を借り、彼の人生について読みました。
彼は文学者、政治家の他に自然科学にも造詣が深い人物であったことに加え、「恋多き人物」だったことが分かりました。私なりに「恋をすること」 がいろいろなことに才能を発揮したエネルギーにつながったのではないかと思い、「恋」に関する詩、 しかも60歳代で書いた「大人の恋」を選びました。
それが「暗号通信」です。 ゲーテと言えば「魔王」や「ファウスト」などの作品が有名で、あまり「暗号通 信」は知られていませんが、今では私の一番気に入っている作品です。


一次審査のテープを送って1ケ月程経ったころ「一次審査を通過しましたので東京までお越し頂けますか?」という電話を頂きました。実はそのとき昼寝を いたので 「果報は寝て待て」とはこういうことを言うのかと思いました。
場所が東京ということで練習だけはたくさんしていこうと毎日読みました。100回を目標にして75回しか出来ませんでしたが、おかげで舞台では安心できました。参加者も皆さん感じの良い方ばかりで14歳から79歳までと幅広い方々と おしゃべりして控え室は和やかな雰囲気でした。また、参加者の皆さん一人一人の 読み方もとても勉強になりました。 思いがけず優勝させて頂きましたが、この経験が無駄にならないよう地道に朗読を続けて行きたいです。


 

トップ サイトマップ(更新記録含む) ■E-MAIL